「長く歩いていると膝の内側が痛くなってくる」「スポーツの練習を続けていると痛みが出てくる」など
アスリートから高齢者まで様々な年代で膝の痛みに悩んでいる方が多いです.
凹脚,変形性膝関節症,鵞足炎(がそくえん),内側半月板,滑膜炎など本当に様々な原因があります.
アスリートや若い人に多い膝内側の痛みのほとんどが[knee in]という現象により鵞足炎になっている事が多いです.
この記事ではアスリートや若い方に多い膝の内側の痛みで多い原因について解説していきたいと思います.
knee inとは
支えている方の膝が内側に倒れる現象
ウォーキング,バスケットボール,卓球など踏ん張るような動作が多いスポーツでは,そのパフォーマンスに伴った体幹や股関節周囲の筋肉がないと体重を支えきれずに組織に寄りかかってしまいます.
それが繰り返されると炎症が起こり,痛みへと発展していきます.
このように特にフォワードランジなどで支えている方の膝が内側に倒れてしまう現象を言います.
膝痛のメカニズム
knee inの原因のほとんどが大殿筋の筋力低下や体幹の筋力低下です.
チェックしよう
→ 要注意
□ 頑張れば内側に倒れない
→ 注意
(ハードなスポーツの場合,要注意)
□ 全く倒れそうにない
→ 合格
knee in 改善方法
上記に示した通り,knee inの原因のほとんどが体幹や大殿筋の筋力が不足している事で起こります.
そのため,大殿筋を始めとする股関節外旋筋の強化,体幹の強化を行い,その上でknee inしないような身体の使い方を学習していく必要があります.
大殿筋強化
「膝痛のメカニズム」の図で示したように大殿筋を始めとする股関節の外旋筋は踏ん張っている方の足が内側に倒れないように支える役割があります.
- 3秒かけて上げて,3秒かけて下ろす
- 10回を1セットにして,限界まで実施する
- お尻を上げた際にふとももの裏が攣(つ)りそうになる場合は
・足をしっかり引く・爪先をあげる(かかとで踏ん張る) - 片足でできる人はお尻を一番上まで上げた状態をキープして足踏みする方法でもOK
- 腰を反らないように注意
体幹強化
「膝痛のメカニズム」の図で示したように体幹の筋力は腹圧を高め,体幹をしっかり安定させる役割があります.
身体の土台である体幹をしっかり安定させないと下肢に繋がる筋肉がどんだけ強くても力が伝達しません.
答えは言うまでもなくB君だと思います.
体幹は何をするにしても強化は必要です.
体幹トレーニングは色々な理論があり,色々な方法があります.
ここでは体幹の筋力強化というより,下部体幹の活性化により体幹のコントロール機能を向上させる方法をお伝えします.
- この体勢でバンザイする事で上半身重心が膝関節より前へ行く
- そのため背筋に持続的な収縮を促せる
- その状態から骨盤の前後傾を繰り返すことで背筋の遠心性収縮,求心性収縮を繰り返して行える
- ①→②→③→②→③・・・・の順で行う
- 20回連続で実施
- アスリートは50回連続
- 一貫して腰を反らないように注意する
- プランクでは腹筋が常に働いた状態である
- その状態から骨盤の前後傾を繰り返すことで腹筋の遠心性収縮,求心性収縮を繰り返して行える
- ①→②→③→②→③・・・・の順で行う
- 20回連続で実施
- アスリートは50回連続
knee in しない運動学習
大殿筋や体幹の筋力強化を行うと,今度はそれを実際の動きの中に取り入れていけるように運動をしていきます.
まとめ
- 膝の内側の痛み(鵞足炎)はknee inが原因である事が多い
- knee inを起こしている要因としてはパフォーマンスのレベルに対して,大殿筋や体幹の筋力が足りていない事が考えられる.
- 大殿筋や体幹の筋力強化だけでなく,それを動作に応用できる身体造りが必要である.