ゴルフをされている方で左膝の痛みを感じている人は少なくないと思います。
とくにアスリートやプロレベルの方で多くなる傾向にあります。
タイガーウッズも左膝の痛みで手術をしたことは有名です。
ではなぜアスリートやプロレベルのゴルファーで左膝の痛みになるのかを解説します。
結果から言うと地面反力の受け方、脊柱、股関節の柔軟性の不足が主な原因となります。
ゴルフはスポーツ競技の中で、最も体のメンテナンスを怠っていることが多いスポーツの一つだと感じています。
球を打ちながら体をほぐしていくといった光景をよく目にします。
これが障害につながることを理解しておかなければなりません。
今回は左膝の痛みについて解説していきたいと思います。
ゴルフと地面反力
地面半力はニュートンの第3の法則で、作用反作用の法則からなります。
よく「地面を蹴って地面半力を使って飛ばそう!」と言っているレッスンがあります。
もちろん地面を強く蹴れば地面反力が強く帰ってきます。
その強く帰ってきた地面反力を受ける体の環境が必要になります。
作用反作用の法則から、体に帰ってきた地面反力はそのまま勝手にボールに伝わる訳ではなく、体の様々な部位で衝撃を吸収しなければなりません。
本来衝撃吸収を担っている脊柱が硬くなると必然的にそのほかの部位に衝撃が集中します。
脊柱の衝撃吸収機能についてはこちら
地面反力と膝の関係
特に脊柱や股関節の柔軟性や機能が良くない場合、地面反力のほとんどを膝で受けることになります。
それが繰り返されると左膝に負担が蓄積し、半月板損傷につながります。
半月板損傷のメカニズム
以上を理解した上で半月板損傷に至るメカニズムを紹介します。
このようなメカニズムで膝の痛みへと進行します。
さらに半月板は軟骨であり、一度損傷すると回復しないのが特徴です。
そのため、半月板損傷から将来変形性膝関節症へと移行し、痛みが慢性化するリスクがあります。
予防方法
先に述べたように地面反力を受ける柔軟性が必要であることはご理解いただけたと思います。
実際には胸椎と股関節の柔軟性(回旋可動域)が必要になります。
本来、体の回旋のほとんどが胸椎と股関節が行なっているのでこれらの関節の柔軟性が低下することで膝関節への過剰な回旋が強いられることになります。
特にゴルフスイングでは胸椎の回旋、左股関節の内旋可動域の獲得が重要になります。
胸椎の可動域に対するストレッチ
◆ 脊柱回旋運動
- しっかり開いたところで深呼吸しながら5秒キープを5回程度
- 左右実施
- 朝晩など一日に2回できればOK
限界を超えようとせず,今出来る範囲できっちり行なっていくと徐々に可動域が広がってきます.
痛みの出ない範囲で行なってください.
痛みが出ると余計に硬くなったり,二次障害につながります.
股関節内旋ストレッチ
◆ 股関節内旋ストレッチ
・無理をせずにできる範囲で実施
・1回に1分程度
まとめ
○ゴルフスイングで左膝の痛みは地面反力を受ける体の環境が出来ていないことが多い
○特に脊柱の柔軟性、股関節の内旋可動域が必要
○無駄に飛距離を求めて、地面反力を意識しすぎないことが必要
○半月板損傷は変形性膝関節症へ移行する可能性が高い
松山智亮 筆