肩こりや首の痛みの原因であるストレートネックの根本的な治し方

巷では「肩こりはこれで一発解消!」のように謳っているのをよく目にすると思います.

このようなことは一切ありません

一発で肩こりを解消させる方法を見つけたら億万長者になれると思います.

肩こりを治すには本人の努力次第であることを知っておいてください.

この記事では肩こりや頚部痛を作ってしまっている根本的なところに焦点を当て,自分でできる体操を紹介したいと思います.

ストレートネックとは

簡単に言うと頭が前にでている状態です.

詳細は他のサイトで丁寧に表記されていますのでそちらを参照ください.

頭が前に出ていると首の後方で頭を支えている筋肉に負担がかかり続け,肩こりになります.

また,後ろの椎間関節に負担がかかり頸部痛になります.

椎間関節とは(こちらを参照)

 

矢印のレベルの関節に,慢性的に負担がかかり痛みになります.

 

上記の図のようにチンインエクササイズや後方筋肉のマッサージ指導をネットやYouTubeでよく目にします.

確かにチンインエクササイズ(顎を引く運動)や後方筋肉のマッサージを行うとその場で楽になります.

もちろん,わたしの患者様にも指導しています.

後方筋肉のマッサージはこちら

しかし,このまま治ってしまったことがありますか?

これだけでは絶対治りません.

根本的に治すためには頭が前に出てしまう原因に対してアプローチしていく必要があります.

脊柱の弯曲上の図で示したように脊柱はS字構造でバランスを取っており,体重や床反力をなどの衝撃を吸収している構造になっています.(頸椎は前弯,胸椎は後弯,腰椎は前弯)ストレートネック無理矢理修

ストレートネック傾向の方は脊柱が,②で示したような構造になっている事が多いです.

明らかに腰椎の前弯が消失しているのがわかると思います.

よく「ストレートネックの治し方」でYouTubeやサイトで③で示したように頭を後ろに下げるような運動を指導して「これで解決!」みたいな事を言っています.

③の図を見ていただければわかるように頭の位置だけ修正しても土台となる首より下のアライメントを修正しなければ,首に更なる負担を加えたり,すぐに戻ってしまいそうなのがわかると思います.

頭が前にくる原因を治さなくてはなりません!

頭が前に出る原因のほとんどが胸郭の硬さ体幹の筋力日常生活の中にあります

 

【メカニズム】
不良姿勢が続くと,
体幹筋の弱化,胸郭の柔軟性低下
→ 立位姿勢で骨盤が前に出る
→ 胸椎が後弯過剰になる
→ バランスを取るために頭が前に出る.

 

 

 

胸郭の硬さとは上記のエリア

このエリア内の関節靭帯筋肉全般です.

こんな人は要注意(評価)

  • 車の運転をしている時間が長い
  • 仕事などパソコンと向き合う時間が長い
  • 座ってスマホを見ている時間が長い
  • 事務作業が多い
  • 視力が弱い
  • 運動不足

基本的に座っていることが多い人は要注意!

 

《まずはチェックしてみましょう》

耳たぶ肩(肩峰)の位置を確認します.

横から見て耳たぶと肩は一直線に来ることが理想です.

肩よりも耳たぶが前に出ている時間が長いほど首の筋肉や関節に負担がかかり肩こりや頸部痛へと発展します.

評価する際は出来るだけ自然な状態で横から誰かに撮影してもらってください.

 

ストレートネック改善体操

 

【胸郭の柔軟】

 

◆胸椎伸展運動(パピー)

胸椎伸展運動

  • 出来るだけ力を抜いて②の項目(顎を引いて,みぞおちを下げる)のみ意識する
  • 1分程度持続
  • 息を吐きながらみぞおちを下げる
  • 首からかけたネクタイをピンッと伸ばすようなイメージ

胸椎伸展運動NG

自分で思っている以上に出来ていないこと多いので,

実際に行なっている姿を写真に撮ってもらって確認できればbetter

腰が痛くなる場合はしっかりみぞおちを下げるようにする.

 

 

◆ 脊柱回旋運動

脊柱回旋運動

  • しっかり開いたところで深呼吸しながら5秒キープを5回程度
  • 左右実施
  • 朝晩など一日に2回できればOK

 

脊柱回旋運動NG

限界を超えようとせず,今出来る範囲できっちり行なっていくと徐々に可動域が広がってきます.

痛みの出ない範囲で行なってください.

痛みが出ると余計に硬くなったり,二次障害につながります.

 

 

【体幹の強化】

 

◆ 頸部屈筋群トレーニング

頸部屈筋トレーニング

※注意

  • ゆっくり顎をあげる.(無理に顎をあげ過ぎず,出来る範囲で行う)
  • 出来る回数で終了する.(3回で限界なら3回までにする)

 

 

◆ 肩甲骨内転運動

肩甲骨内転運動

  • 脇を5秒間開く(開ける範囲)
  • 10回実施
  • みぞおちをしっかり前に突き出すようにする
  • 肩甲骨の内側に力が入っていればOK

肩甲骨内転運動NG

 

 

◆ リバースクランチ(腹筋)
リバースクランチ腰を反らないようにしっかり意識してゆっくり20回

リバースクランチNG

腰が反らずにリバースクランチが出来たら挑戦

 

【日常生活での注意点】

☆☆この項目が一番大事です!!☆☆

  • 長時間同じ姿勢は避け,頻繁に体を動かす
  • 座って作業する際は頭と腰の位置に気を付ける(仙骨座りを避ける)詳しくはこちら
    仙骨座り
  • 立位では骨盤が前に出ていないか注意する
    (骨盤が前に出るとバランスを取るために頭も前に出るため)骨盤前方変位
ずっと正しい姿勢を保つ必要はありません.
悪い姿勢に気づき,日常生活で出来るだけ頻繁に姿勢を正す程度で良いです.
悪い姿勢に気づかず悪い姿勢をずっと保持してしまうことが問題です.

 

まとめ

肩こりや首の痛みの原因は,首や肩だけでなく姿勢の影響である事が大半です.

日常生活での悪い姿勢の持続から頸部の負担へとつながり,痛みになっています.

「これだけで肩こり解消!」の謳い文句に騙されず,コツコツ努力してストレートネックを治しましょう.

体操を続けられない人「こんな運動自分には無理」と思う人は肩こりと一生付き合って生きていくことになります.