頭痛で病院へ行くが原因不明,なかなか治らない,「ストレスが原因でしょう」と言われたなど頭痛で悩んでいる人はかなり多くいます.
痛み止めを服用したり休息を取ると一時的に治るが,また痛くなる.
この症状は姿勢(ストレートネック)が影響している事が非常に多いです.
そのメカニズムと対処法についてお伝えさせていただきます.
トリガーポイントの存在
人間の体には圧痛点(トリガーポイント)というものが存在します.
トリガーポイントについてはこちらのサイトで丁寧に解説されていますのでご参照ください.(きっちり調べなくてもこの記事の内容は理解できるようになっています)
トリガーポイントは筋肉内などに出来る筋硬結(コリ)で,周辺に関連痛や関連症状(めまいや耳鳴りなど)を引き起こします.
つまり,一部の筋肉にコリが発生するとその部位に関連した他の部位の痛みと錯覚する事があります.
片頭痛に関与するトリガーポイント
青の×印で示した部位にコリができると青く塗ってある部位にも関連痛を引き起こす可能性があります.
これらの筋肉は頭が前に出た姿勢が続くと硬くなりコリを引き起こします.
頭が前に出ると主に僧帽筋上部線維,後頭下筋群,胸鎖乳突筋に持続的に負担がかります.(その他にもたくさんの筋肉に負担がかかりますが優先順位をつけるとすればこの三筋は重要です)
持続的に負担がかかるところにコリは出来やすくなります.
どうやって治すのか
整形外科医による注射
首の痛みや肩の痛みが強いと整形外科を受診する事があります.
整形外科を受診すると先生は痛いところを押して,患者が「そこです!」と言ったところに注射を打つ,トリガーポイント注射がメインになると思います.
最近はエコーで見て動きの悪いところを見つけ,エコー画像を見ながら打つ,ハイドロリリースが流行っています.
あるいは注射を打たずに痛み止めや湿布の処方をして様子を見てもらう先生,リハビリを処方する先生など受診した整形外科の先生によって考え方が違います.
このように整形外科の先生に注射を打ってもらって一時的に痛みを軽減させる方法があります.
マッサージによるコリの解消
マッサージのメリットは注射に比べ痛みを伴わない,簡単に出来る,自分で出来る,その場で楽になるなど
経験のある方は多いと思います.
実際のマッサージ方法はこちら
デメリットとしては楽なのはその時だけなんです.
これは注射と同じで対象療法なのでそのコリを作りだす根本的な治療になっていないからです.
しかし,急に根本的に治す事はできないので辛い時に注射やマッサージに頼るのは悪くありません.
ただ,これだけで終わらないようにしてください.
根本的に治す(重要!)
根本的に治すためには頭が前に出てしまう原因に対してアプローチしていく必要があります.
上の図で示したように脊柱はS字構造でバランスを取っており,体重や床反力をなどの衝撃を吸収している構造になっています.(頸椎は前弯,胸椎は後弯,腰椎は前弯)
ストレートネック傾向の方は脊柱が,②で示したような構造になっている事が多いです.
明らかに腰椎の前弯が消失しているのがわかると思います.
よく「ストレートネックの治し方」でYouTubeやサイトで③で示したように頭を後ろに下げるような運動を指導して「これで解決!」みたいな事を言っています.
③の図を見ていただければわかるように頭の位置だけ修正しても土台となる首より下のアライメントを修正しなければ,首に更なる負担を加えたり,すぐに戻ってしまいそうなのがわかると思います.
根本的に治すためにはこちらの記事を参照してください.
特に日常生活での注意点を解説していますので,是非参考にしてみてください.
まとめ
ずっと治らなかった頭痛はストレートネックが原因かもしれません.
体にはトリガーポイントというものが存在し,特にストレートネックでは僧帽筋上部線維,後頭下筋群,胸鎖乳突筋がトリガーポイントになっている事が多いのでこれらの筋肉に対応した関連痛として頭痛や片頭痛に及んでいる可能性があります
トリガーポイントの治療には整形外科での注射,マッサージ,体操があります.
痛くて辛い時は注射やマッサージで一時的に楽になるのは良いですが,根本的に治すためには脊柱全体の体操が必要であり,特に日常生活で頭が前に出てしまわないように意識する事が大変重要です.
松山智亮 筆