腰痛は人によって痛い部位が違い,対処方法も異なってきます.
この記事では腰の付け根辺りがピンポイントに痛い人の対処方法について解説していきます.
たくさんある腰痛の中でもこの部位に痛みがある人は非常の多いと思います.
整形外科で湿布と痛み止めだけをもらった人,接骨院などでマッサージだけを受けている人は残念ながら治りませんので,この記事を参考にしてしっかり体操するようにしてください.
腰の付け根の痛みの正体
腰の付け根の痛みはほとんどが椎間関節性の痛みである事が多いです.
椎間関節についてはこちら
この関節の周りには関節包や脂肪体など,痛みを感じる受容器が豊富に存在しています.
そのため何か負担がかかれば,炎症を起こし,痛みとなります.
なぜ椎間関節に負担?
椎間関節に負担がかかる根本的な原因は姿勢です.(特に反り腰に多いです)
姿勢から筋肉が硬くなったり,正しいアライメントが崩れた状態ができます.
その状態で捻ったり,重いものを下げたりすると椎間関節に急激に負担がかかり炎症が発生する事で腰痛へと発展します.
【反り腰の典型例】
・右側の姿勢では骨盤とその上の骨の関節が鋭角になるのでかなり負担がかかります.
・座って仕事をしている人や座っている事が多い人は特に注意が必要です.
立位と座位では骨盤の傾き方が違います.(座位が後傾)
骨盤が後傾する事でその上に乗っている椎体も吊られて後ろに倒れます.
そのため,胸椎の後弯の頂点が下に下がります.
・座位が多い人はこのようにアライメントが崩れた状態になります.
その状態で立位になってもそのアライメントは維持されます.
この状態が続く事で腰の付け根(椎間関節)に負担がかかり,何かのきっかけで炎症を起こし,痛みになります.
実際の立位ではこのような崩れ方をしている事が多いです.
椎間関節性腰痛のチェック
以下の4つのテストを行なってみてください.
陽性の数が多ければ多いほど椎間関節性腰痛の可能性が高いです.
1つでも陽性があれば椎間関節性腰痛の可能性があります.
体幹伸展テスト
腰の付根が痛くなると陽性
腰椎後弯可動域
腰のあたりに引っ張られる感じがあると陽性
腹筋
手のひらの中央が膝の頂上まで届かない場合陽性
腹筋は基本的には腰を丸める働きがあるので腹筋の筋力が弱いと腰椎が中間位で保持できず,反ってしまう事が多いです.
立位体前屈
立位体前屈の形を見ます.
腰が丸くならない場合陽性
反り腰の方は腰の後方組織が硬いので腰椎の丸みが少なくなっている事が多いです.
トーマステスト
片方の膝を抱えると反対側の膝が浮く場合陽性
この検査で陽性の方はこちらも参照
対処方法
腰の付根で痛い方は反り腰になっている事が多いです.
長く反り腰になっている方は後方の筋肉などの組織が硬くなっている事が多いので後方の組織をストレッチする事で椎間関節にかかる圧を軽減する事ができます.
そのため,対処方法として後方組織のストレッチをご紹介します.
何パターンか紹介しますので,自分に合った体操を試してみてください.
1回に10秒〜20秒程度で,寝起き,痛みが強い時,入浴後など複数回実施してください.
仰向けでのストレッチ
四つ這いからのストレッチ
座位でのストレッチ
※ 左が痛い場合は写真とは反対方向に体を倒してください.
根本的な治し方
腰痛は痛みが治っても,何もしなければ痛みが再発したり,慢性腰痛へ移行します.
そのため,腰痛は根本的に治すことをお勧めします.
今回の椎間関節性腰痛に多い,根本的な原因に対する自分で出来る体操をご紹介します.
◆胸椎伸展運動(パピー)
- 出来るだけ力を抜いて②の項目(顎を引いて,みぞおちを下げる)のみ意識する
- 1分程度持続
- 息を吐きながらみぞおちを下げる
- 首からかけたネクタイをピンッと伸ばすようなイメージ
自分で思っている以上に出来ていないこと多いので,
実際に行なっている姿を写真に撮ってもらって確認できればbetter
腰が痛くなる場合はしっかりみぞおちを下げるようにする.
◆ 脊柱回旋運動
- しっかり開いたところで深呼吸しながら5秒キープを5回程度
- 左右実施
- 朝晩など一日に2回できればOK
限界を超えようとせず,今出来る範囲できっちり行なっていくと徐々に可動域が広がってきます.
痛みの出ない範囲で行なってください.
痛みが出ると余計に硬くなったり,二次障害につながります.
◆ ドックキャット
この運動は脊柱全体の柔軟性の向上と脊柱周辺の筋肉のバランスを整えるために行います.
- 丸める時→息を吐いていくようにする
反らす時→息が抜けていくようにする
※ どちらも息を吐きますがニュアンスが少し違います - 3秒かけて丸めて,3秒かけて反らしていく
- 基本的には前後の動きは避け,上下の動きを意識する
上記で述べたように座っている事が多い人は要注意です.
座り方も注意が必要です.
座り方についてはこちらを参照
まとめ
- 腰の付根の痛みは椎間関節性腰痛である事が多い
- 椎間関節性腰痛は反り腰になっている事が多い
- 長く反り腰になっていると後方の筋肉などが硬くなっている事が多い
- 腰痛は座位姿勢や立位姿勢が問題になっている事が多い
- 腰痛は痛みが治っても根本的に治していくように努力が必要